京都賞は、先端技術部門、基礎科学部門、思想・芸術部門の3部門からなります。各部門は4分野でなり立ち、3部門12分野の偉人たちに光をあて讃えています。つまり、4年をかけて授賞対象分野が一巡することになります。
京都賞の創設にあたり、稲盛理事長など財団の幹部は、ノーベル財団を表敬訪問。歴史ある賞に敬意を表し、お互いに異なる分野を顕彰する構想を伝えました。ノーベル財団のスネ・ベルイストレム理事長は京都賞の授賞式において、「ノーベル賞はアルフレッド・ノーベルの遺書に記された分野のみに与えられます。しかし、人類の創造力はとどまることを知りません。京都賞は、ノーベル賞がカバーしていない新たな分野に光をあて、それらの分野が人類の発展と繁栄のために、とても重要であることを理解させてくれます。私たちは京都賞を大いに歓迎します」とスピーチしました。(1985年の京都賞創設記念特別賞「受賞挨拶」より)

第1回京都賞授賞式のようす

〈左〉京都賞創設記念特別賞を受賞後、共同記者会見に臨むノーベル財団のスネ・ベルイストレム理事長(当時)
〈右〉1985年8月、ノーベル財団表敬訪問時の稲盛理事長
特に思想・芸術部門は当時、世界に類をみない画期的な賞として大きな関心を集め、これにより科学・技術と併せて「人類の未来は、科学の発展と人類の精神的深化のバランスがとれて、初めて安定したものになる」という創設者・稲盛和夫の想いが具現化されたと言えます。