InaRISフェローシップは、好奇心の赴くまま、存分に壮大な研究に取り組むべく1人につき10年間継続・総額1億円の助成を行う研究助成プログラムです。2024年度のInaRISフェローシップについてお知らせいたします。
募集対象研究
2024年度のInaRISフェローシップでは、下記内容に関わる研究を募集いたします。
異分野コンバージェンスによる革新的医療の創出
医学とは、概して生体の構造や機能(生理学)と、疾病の発症・進展因子(病態生理学)について研究する学問であり、疾病の予防および治療によって健康を維持、および回復するために発展した様々な医療を包含します。すなわち医療の進歩・発展には医学の探求が必須であり、現在の臨床で標準医療として用いられているものは、先人の基礎医学研究をもとに社会実装されたものです。
医療は日々大きく進歩してきていますが、いまだ予防法や治療法のない疾患や、アンメットメディカルニーズも多くあるのが現実です。現在の医療にブレークスルーをもたらすのは、基礎科学における革新的イノベーションです。パンデミックを引き起こした新型コロナウイルスに対するワクチンの迅速な開発には、長年にわたる生体へのmRNAデリバリー技術の研究が大きく貢献しました。また、CRISPR-Cas9システムを用いたゲノム編集技術は、遺伝性疾患への治療応用に向けて臨床試験が進められています。
革新的イノベーションは、単一の学問領域で起こることは極めて稀です。近年、従来は互いに接点のない異なる分野や技術が、特定の目的を達成するために融合・統合しながら新しい分野や技術を確立させていく、科学研究の新モデル「コンバージェンス(収斂)」が注目されています。情報技術、材料および関連分野のコンバージェンスが物理科学に変革をもたらしたように、遺伝子工学、ナノテクノロジー、認知科学、ロボット工学といった最先端テクノロジーと医学研究とのコンバージェンスにより、パラダイムシフトが促され、新しい医療を生み出すことができると考えています。
このような現状を鑑み、常識に縛られることなく、10年先あるいはその先を見越して、以下のような視点を通じて、医療の進化を目指す卓越した研究提案を募集します。
- 人類、社会にとって、「医学・医療」の究極のゴール(ビジョン)は何か、また現在の医療におけるアンメットメディカルニーズを明確にする。
- アンメットメディカルニーズを満たすために、既存技術の単なるアップデートではなく、どのような分野・技術のコンバージェンスが必要となるかを明確にする。
- コンバージェンスによる革新的イノベーションを医療として社会実装するための真の課題とその解決法を明確にする。社会実装のために新たなコンバージェンスの必要性も考慮する。
申請受付の開始は2023年5月下旬を予定しております。申請資格など詳しい情報は、InaRISのページをご覧ください。
2024年度募集要項、申請書サンプルはこちら(PDFファイル):募集要項 申請書サンプル
公募説明会
受付開始に先立ちまして、下記日時にてオンライン公募説明会を開催いたします。プログラム内容や募集対象研究等について、稲盛財団の職員が直接説明いたしますので、この機会にぜひご参加ください。【終了しました】
説明資料(PDFファイル)はこちら
山中伸弥運営委員による説明動画(YouTube)はこちら
日時
2023年4月25日(火)13:30~14:30 |
2023年4月27日(木)13:30~14:30 |
関連情報
本件のお問い合わせ
公益財団法人稲盛財団 助成部
inaris[at]inamori-f.or.jp([at]は@に変換してください)