稲盛研究助成金贈呈式を4年ぶりに開催しました

自然科学系と人文・社会科学系の研究者を支援する「稲盛研究助成」の助成金贈呈式と、これまでの助成対象者の交流を目的とした「盛和スカラーズソサエティ(3S)」の交流会が15日、ザ・プリンス京都宝ヶ池(京都市左京区)で開かれました。式典はコロナ禍を経て、2019年度以来となる4年ぶりの開催。今年度は「交流」にねらいを定め、3S会員(これまでの助成対象者)によるポスター発表が初めて企画され、活発な議論が交わされました。

稲盛研究助成は、できるだけ束縛をせずに研究資金を提供し、独創的で将来性のある研究活動を自由に行ってもらいたいという思いのもと、1985年から毎年実施しています。助成対象者は、自然科学、人文・社会科学の広い分野の中から、毎年50人が選ばれます。本年度までに、のべ1,829人、総額18億1,940万円の支援をしてきました。

贈呈式では、稲盛財団の金澤しのぶ理事長が「年齢や経験だけでなく学問の領域を越えて親睦を深めて、研究活動の新たな原動力としていただけたら幸いです」などとあいさつし、京都大学大学院工学研究科の秋山みどりさんに贈呈書を手渡しました。その後、助成対象者を代表して、神戸大学経済経営研究所の明坂弥香さんが「自分が研究を通して、世のため人のため、どのように役立つことができるだろうかと、社会と自身の研究との関係を問い直すきっかけにしたいと思います」と抱負を述べました。

初開催となるポスター発表では、3S会員の29人が発表しました。さまざまな分野を専門とする研究者がポスターの前に集まり、時間を惜しんで議論に没頭していました。3S会長の巌佐庸・九州大学名誉教授は「まったく関係ないと思っていた分野の話から、自らの課題を解決するヒントを得られるかもしれない。自分の研究の面白さをわかりやすく伝えるだけでなく、まったく違う分野の研究の話を面白がって聞くことも重要だと思います。幅広い学術研究の話に興味を持ち続けてもらいたい」などと総括しました。


最後は懇親パーティが開かれ、3S会員と選考委員の先生たちが、食事を楽しみながら交流を深めていました。


 

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