自然科学系と人文・社会科学系の研究者を支援する「稲盛研究助成」の助成金贈呈式と、これまでの助成対象者の交流を目的とした「盛和スカラーズソサエティ(3S)」の交流会が13日、ザ・プリンス京都宝ヶ池(京都市左京区)で開かれました。昨年に引き続き交流を目的に、3S会員(これまでの助成対象者)によるポスター発表が行われ、活発な議論が交わされました。
稲盛研究助成は、できるだけ束縛をせずに研究資金を提供し、独創的で将来性のある研究活動を自由に行ってもらいたいという思いのもと、1985年から毎年実施しています。助成対象者は、自然科学、人文・社会科学の広い分野の中から、毎年50人が選ばれます。本年度までに、のべ1,879人、総額18億6,940万円の支援をしてきました。
贈呈式では、稲盛財団の金澤しのぶ理事長が「皆様の研究が新たなるものの見方や技術の創出につながり、やがて、その成果が社会に広く還元され、持続可能な社会の構築や人々の生活の向上に貢献することを願っています」などとあいさつし、筑波大学医学医療系の安部佳亮さんに贈呈書を手渡しました。その後、助成対象者を代表して、九州工業大学大学院工学研究院の厳島怜さんが「幅広い分野の研究者の皆様と交流できる機会をいただいたことに感謝し、交流を通じてよりいっそう自身の研究を深化させたいです」と抱負を述べました。
その後の交流会では、壁一面の大型LEDビジョンを使ったフラッシュトークで、3S会員の23人がひとり1分ずつ次々に交代しながら自身の研究の魅力を伝えた後、ポスター発表をしました。さまざまな分野を専門とする研究者がポスターの前に集まり、時間を惜しんで議論に没頭していました。3S会長の巌佐庸・九州大学名誉教授は「新しい視野を得るのに一番良いのは、他の分野のまったく違う研究テーマの話を聞くことではないかと思うことがある。自分の研究の面白さをわかりやすく伝える能力、逆にまったく違った研究の分野の話も面白く聞くということが重要だと思います」などと総括しました。
▷交流会を終えたばかりの発表者と今年度の助成対象者の方に、感想を聞いてみました
最後は懇親パーティが開かれ、3S会員と選考委員の先生たちが、食事を楽しみながら交流を深めていました。
「稲盛財団Magazine」は、稲盛財団の最新情報を配信するメールマガジンです。メールアドレスのみで登録可能で、いつでもご自身で配信解除できます。