2024年10月17日、18日の二日間、稲盛財団(京都市下京区)において、「稲盛科学研究機構(InaRIS)フェローシップ」のアドバイザリー・ボード・ミーティング(以下、ABM)が開催されました。ABMではフェローが自身の研究の進捗と展望について発表し、運営委員や他分野のフェローとの意見交換が行われました。
InaRISは、短期的に成果を求めるのではなく、好奇心の赴くまま存分に、壮大なビジョンと大きな可能性を秘めた研究に取り組んでもらうため、2019年に設立されたプログラムです。毎年1,000万円、10年間にわたり総額1億円を助成しています。
今回のABMでは、まず2024年度(医学・医療)フェローである鈴木洋氏(名古屋大学教授)と星野歩子氏(東京大学教授)が発表を行いました。続いて、2020年度(量子)フェローの高柳匡氏(京都大学教授)と野口篤史氏(東京大学准教授)、2021年度(生命)フェローの西増弘志氏(東京大学教授)と山口良文氏(北海道大学教授)、2023年度(情報)フェローの亀井靖高氏(九州大学教授)と田中由浩氏(名古屋工業大学教授)が研究の進捗状況を報告しました。さらに、2022年度(材料)フェローである深見俊輔氏(東北大学教授)と藤田大士氏(京都大学准教授)は中間審査後、ABMの議論に参加しました。
各フェローの発表後には、運営委員や他分野のフェローとの活発な質疑応答が行われ、運営委員からは激励の言葉が寄せられました。夜には、京都市内のホテルにて懇親会が開催され、和やかな雰囲気の中でさらに交流を深めました。
翌18日には、西尾章治郎 運営委員(大阪大学総長)を座長に「科学・技術の新しい社会規範の構築」をテーマとしたディスカッションが行われ、ABMは盛況のうち幕を閉じました。今後もInaRISフェローたちの挑戦は続き、それぞれの研究において新しい発見や未来の可能性を広げていくことが期待されます。
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