第11回KUIP 「地震の深層/真相を探る」が開催されました!

2月8日、JPタワー ホール&カンファレンス(東京・千代田区)にて、第11回京都大学―稲盛財団合同京都賞シンポジウム(KUIP)が開催されました。今回のテーマは「地震の深層/真相を探る」。新しく見つかった地震現象や巨大地震のさまざまな発生メカニズム、地震の発生をいち早く市民に知らせる技術について、3人の研究者が熱く語りました。

京都大学防災研究所の西村卓也教授は、技術の進歩により観測されるようになったスロースリップという現象や、地震の場所と規模の長期予測について、2024年に発生した能登半島地震の例を示しながら解説しました。次に東京大学地震研究所の加藤愛太郎教授が地震の基本的なメカニズムや特徴について概説した後、地震の予測を難しくしている多様性と複雑性に富んだ大地震の発生モデルについて説明しました。そして京都大学防災研究所の山田真澄准教授は、緊急地震速報のしくみと技術の進展について、実際の地震発生時の映像を交えながら紹介しました。

講演後には、京都大学防災研究所の中北英一教授をモデレーターにパネルディスカッションが行われ、事前に参加者から寄せられた質問に答えました。離れた場所で起きる地震や火山噴火の連動、人間活動の地震への影響などについてそれぞれの登壇者が持論を展開しました。「超高層建築は地震に対して安全か」という質問に対し、加藤教授は「超高層建築は地震動と建物の揺れの周期が同期しないよう設計されているので安全なはずだが、想定外の地震動や経年劣化によってはどうなるかわからない」と答えていました。

ディスカッションの最後、3人の登壇者は「日本列島は地震とは切り離すことができない地殻変動によって形成され、それによって日本特有の豊かな自然環境、ひいては日本人特有の気質や文化が形成された。これからも私たちは研究や防災を通じて、地震と付き合っていく必要がある」と締めくくりました。

 

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