藤本 灯 Akari Fujimoto

京都府立大学 文学部准教授※助成決定当時

2021稲盛研究助成人文・社会系

採択テーマ
日本初の国語辞書『色葉字類抄』に採録された漢籍出典語彙の院政期における使用状況
キーワード
研究概要
平安時代後期に日本で編纂された国語辞書の研究をしています。収録される漢字語は、その音読みや訓読みの頭音によってイロハ順に並べられており、漢文や日本語文を「漢字で書くため」に用いられたとされます。しかし中には、当時書記言語としての需要(書記需要)がほとんどなかったと考えられるような語も含まれています。今回は特に漢籍出典の語を対象とし、誤記や用例の多寡といった点から、一語一語の書記需要の程度を見極めつつ、中世の書記言語世界のありかたの解明に一石を投じることを目指します。

ひとこと

労多くして益少なしと言われる分野の研究ですが、自分が面白いと思ったことを追究する過程で、期せずして他者や他分野とのつながりを発見したとき、表現し難い喜びを感じます。様々な世界で生きる人々にとって、世の中にはこんな研究もあるのだと知ってもらうことを目標としながら頑張ります。

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