福井 昌則 Masanori Fukui

徳島大学 高等教育研究センター准教授※助成決定当時

2022稲盛研究助成人文・社会系

採択テーマ
学校教育で創造性を高める方法に関する検討:問題変形と問題の構造理解に着目した実証的研究
キーワード
研究概要
昨今、創造性育成が大切だと言われることが多くなっていますが、その基礎となる部分を学校教育の中で育成していくことが重要であり、その実現には、学校教育に埋め込み可能な創造性を育成する方法の開発が求められます。
そこで本研究では、児童・生徒・学生本人にとって新しい創造性を育成するために「問題変形を通した問題構造理解」に着目した実証的研究を行い、「学校教育に埋め込み可能な創造性を育成する方法」の開発に向けた知見を得ることを目的とします。

助成を受けて

このたびは本研究課題を助成対象として選んでいただき、誠にありがとうございます。今後の社会において「学校教育において創造性を育成すること」が重要になると考えられます。本研究では、その実現に向けた研究を実証的に行い、学校教育に埋め込み可能な創造性育成モデルを提示したいと考えております。

研究成果の概要

本研究は、学校教育において創造性を育成する方法論を構築することを目的としている。学校現場に埋め込み可能なモデルとして、問題を自身で作成する「作問学習」をベースとする「問題変形作問」を開発した。問題変形作問は、与えられた問題を、根拠を持って変形・改良する作問学習の変種であり、対象となる問題の構造理解を促すことが期待される。また、問題変形作問により、自身にとって新しい問題を、根拠を持って作り出す創造性(small-c)を高めることが期待される。そして、問題変形と外部尺度である創造性テストとの関連性を検討する実験を行い、隠されたパラメータの発見と、パラメータを組み合わせて変形している被験者の創造性は、そうでない被験者と比較して有意に創造性の得点が高かった。このことから、自身にとって新しい問題を作り出す創造性を育成するための基礎的知見が得られた。現在、上記の知見に基づいた問題変形作問学習支援システムを試作し、研究を進めている。



  1. Fukui M and Sasaki Y (2022). Understanding the problem structure using modified problem-posing in mathematics classrooms, Electric Proceedings of The 27th Asian Technology Conference in Mathematics (ATCM 2022).

  2. Fukui M and Sasaki Y (2022). Proposal of a small-c creativity cultivation method with modified problem-posing for use in computer studies education, Proceedings of 11th DATTArc-ICTE-TENZ-ITEEA 2022.[in press]


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