目の前の数センチ大の隕石から、約46億年も昔の化学進化に触れることができることが、宇宙地球化学研究の醍醐味です。本助成による研究成果を通じて、宇宙地球化学の発展と人類の知的財産に貢献できるように、また、このような研究の醍醐味を人々に伝えていくことができるように、今後もより一層努力していきたいと思います。
本研究における隕石中の希ガス同位体の分析により、太陽系形成後 5000万年程度の時期までは、木星集積領域よりも外側の領域において数百℃程度の温度条件が局所的あるいは広域的に存在していたということ、そしてそれ以前の原始惑星系円盤では凝縮温度の低い同位体が均質に分布していたことから800℃以上の高い温度状態が保持されていたことが明らかになってきました。
理工系領域