広田 雅和 Masakazu Hirota

帝京大学 医療技術学部講師※助成決定当時

2022稲盛研究助成生物・生命系

採択テーマ
デジタル時代の視機能管理:眼疲労を簡便に定量評価できるデバイス開発と適切なスマートフォン視距離の探索
キーワード
研究概要
近年、スマートフォンをはじめとしたデジタルデバイスが世界的に普及し、一人一台は持つような時代になってきています。デジタルデバイスは我々の生活に欠かせない必需品ですが、使用による眼疲労症状を訴える患者さんが急増し、国際的な健康問題となっています。しかしながら、眼疲労を他覚的に定量評価できる検査法は確立されていません。
以前の研究において、私が考案しました融像維持能力測定法は、加齢に依存せず高い再現性で眼疲労を他覚的定量評価できることが示されました。本研究では、融像維持能力を臨床現場で実用できる装置を開発し、スマートフォンの使用による眼疲労の関係について検討します。

助成を受けて

デジタルデバイスはその利便性から、今後も新たなデバイスが開発され、普及していくことが予想されています。一方で、眼の疲れは個々人の感覚によって異なります。眼の疲れという曖昧さを数値化することで、デジタルデバイスの使用により、眼疲労に苦しむ患者さんを一人でも減らすために研究を進めていく所存です。

研究成果の概要

本研究では、眼疲労を簡便に評価できる検査法として、申請者が以前の研究で開発した融像維持能力測定法を簡略化し、測定精度を維持しつつ、機器の小型化と検査時間を従来の 50 秒から 30 秒に短縮することに成功した。そして、スマートフォンの視距離を探索した研究を実施し、スマートフォンによる眼障害誘発リスクを低下させるには、視距離 50 cm での使用が好ましいことが示唆された。



  1. Morimoto T, Hirota M et al. (2023)  Light-Field Visual System for the Remote Robot Operation Interface. IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems 2023, 7020-7025.

  2. 広田 雅和,渡辺 真生(2023) 「ドライアイと眼疲労」(猪俣武範/編『ドライアイ診療の新時代』)Monthly Book OCULISTA 128, 29-34. 


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