情報学や計算機の爆発的進展によって、人が何に対しても驚かなくなる時代が現実のものになるなどと、私はこれまで一瞬たりとも思ったことはありません。真の科学は、いつの時代も単純かつ牧歌的で類をみないものでなければならないにもかかわらず、私を含めた多くの科学者は流行の分野を自身の研究にとりこみ、学際性が重要であるなどと主張しながら、最新の手法を用いてデータを出すことでルネサンス期の科学に到底及ばないような論文を量産しています。分野や手法にとらわれることなく、まったく何もないところに最初に旗をたてることを目指したいと思います。
生物・生命系領域