近藤 邦生 Kunio Kondoh

自然科学研究機構 生理学研究所助教※助成決定当時

2021稲盛研究助成生物・生命系

採択テーマ
エネルギー代謝を担う中枢神経系と末梢組織をつなぐ神経回路の解明
キーワード
研究概要
私たちの体は、体内のエネルギー状態を安定に保つ「エネルギー恒常性」を持っています。このエネルギー恒常性により私たちの健康が維持される一方、エネルギー恒常性が破綻すると、肥満や糖尿病などの発症を引き起こします。エネルギー恒常性において、中心的な役割を果たすのが脳です。脳は外環境と体内のエネルギー状態の情報を統合し、その情報を用いて様々な末梢組織のエネルギー代謝を制御します。したがって、様々な環境下で、脳がどのように情報を手に入れて末梢組織を制御するのか、そのメカニズムを理解することが、エネルギー恒常性の理解につながります。
これまでの研究で、私たちは末梢組織のエネルギー代謝を制御するいくつかの神経細胞グループを発見しました。これらの神経細胞グループがどのように神経回路により制御されるのか、そしてどのように末梢組織のエネルギー代謝を制御するのか、これらを明らかにすることで、エネルギー恒常性のメカニズムを解明したいと考えています。

ひとこと

「病は気から」という言葉に代表されるように、古くから脳と身体の関係は人々の興味を引きつけてきました。様々な技術の発達により、ようやく脳と末梢組織を合わせて研究ができる時代がきました。本研究を介して、脳と身体の新しい関係性を見出したいと考えています。

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