増田 孝彦 Takahiko Masuda

岡山大学 異分野基礎科学研究所特任講師※助成決定当時

2019稲盛研究助成理工系

採択テーマ
核共鳴散乱法を用いた原子核からの紫外線発光検出
キーワード
研究概要
一般に赤外~紫外光領域における光学遷移は、コヒーレンス性の高いレーザーで制御することができます。そのためこのエネルギー領域は、その他のエネルギー領域に比べ高いエネルギー分解能や対象への高度な量子コヒーレンス制御を実現しています。しかし、既存の量子コヒーレンス制御は原子や分子を対象としており、原子核を制御するということは実現していません。
レーザーによる量子コヒーレンス制御可能な原子核としてトリウム229が知られています。トリウム229は全同位体中で最も低エネルギーの励起準位を持っており、そこは紫外光程度のエネルギーではないかと言われています。本研究ではトリウム229原子核からの紫外線発光を検出し、そのエネルギーをレーザー励起可能な精度で確定させることが目標です。これは原子核の量子コヒーレンス制御という大きな目標に向けた第一歩です。

助成を受けて

今回採択していただいた原子核からの紫外線発光観測という研究課題は、これまで5年間に渡り準備を進めてきたものです。本助成を元に、ぜひとも研究を成功させたいと考えております。審査委員の先生方ならびに稲盛財団の皆様には、研究課題の意義を認めていただき心より感謝申し上げます。

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