松本 郁代 Ikuyo MATSUMOTO

横浜市立大学 大学院都市社会文化研究科教授※助成決定当時

2020稲盛研究助成人文・社会系

採択テーマ
中世日本における家職の定着と各家の神仏起源語りに関する学際的研究
キーワード
研究概要
 日本中世における家(イエ)の成立は、各家が継承すべき家職と密接に関わっていた。各家には、家の起源に関わる儀礼や和歌会などの藝道に関わる行事があり、その多くは家や家職の守護神を祀ることによってその正当性を再確認した。家や家職は、その起源を語る神話や伝承がその社会的地位を定着化させた。しかし、そこで語られ叙述された神仏とは近代的カミ観念とは異なる、実に社会文化史的な意義をもっていた。
 本研究では、このような中世的家形成のなかでも天皇と公家に関わる神仏の生成を追究し、その歴史的意義について考察する。

ひとこと

世界的に人文学の危機が唱えられている。このような時代を単に嘆くのではなく、自らの研究スタンスと方法論を顧みて、何が可能となるのか微力ながら挑戦したい。グローバル化が進むことにより、日本と東アジアをつなぐ文化的特徴が明確化し、海外の研究者を交えた学際的研究が容易になった現在であるからこそ、探求できる新たな人文学研究を追究していきたい。

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