宮西 弘 Hiroshi Miyanishi

宮崎大学 農学部助教※助成決定当時

2019稲盛研究助成生物・生命系

採択テーマ
魚類の高塩分味覚受容機構の解明と回遊現象との関連
キーワード
研究概要
魚類の棲む川や海は、塩濃度が大きく異なる環境です。回遊魚などのは、川と海を行き来します。哺乳類では、高塩分(海水)に対しては忌避行動を示します。もし、魚が川から海へ降るとき、高塩分の海水に対して忌避であれば、回遊の大きな障壁となるでしょう。魚類における塩分味覚受容機構の解明は、魚類の環境選択と回遊現象を理解するために必要ですが、全く分かっていないのが現状です。私たちは、淡水と海水に適応するメダカを用い、淡水と海水を行き来できる水槽を使って、塩分選択行動実験を行いました。。その結果、淡水メダカは淡水を、海水メダカは海水を選択した。この結果は、メダカが塩分環境を感知し、それまで適応していた環境を選択すること、環境に合わせ高塩分に対する忌避・誘引が変化する可能性を示しています。そこで、この研究では、メダカをモデルに味蕾における塩分味覚受容体を網羅的に解析し、対象遺伝子の機能解析から、塩分味覚受容機構を解明します。この知見を基に、回遊魚における味覚受容機構の変化を調べ、降海への引き金としての塩分味覚受容機構の重要性を明らかにします。

助成を受けて

これまでの稲盛研究助成を受けられた研究は、どれも優れています。私たちの研究も、稲盛研究助成によって進められることに大きな喜びを感じています。未解明な魚類生理学の課題を解決し、皆様に「なるほど」と思って頂ける成果を発信していきます。

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