南 聡 Satoshi Minami

大阪大学大学院医学系研究科特任助教(常勤)※助成決定当時

2024稲盛研究助成生物・生命系

採択テーマ
1 細胞RNAseq 解析を用いたAKI to CKD の病態解明と治療応用
キーワード
研究概要
急性腎障害(AKI)は慢性腎臓病(CKD)に至る(AKI to CKD)。申請者はAKI to CKDの過程では近位尿細管細胞の中にAKI後修復されず萎縮に至る細胞群が存在しこの細胞群が多様な細胞間相互作用を介しCKD進展に働くことを同定したが、その分子機構は不明である。近年1細胞RNAseq解析により細胞分化の過程や制御因子同定、また細胞間相互作用の網羅的解析が可能となった。以上より本研究は1細胞RNAseq解析をはじめとした統合的解析からAKI後近位尿細管細胞が修復や萎縮に至る分子機構並びに細胞間相互作用の全貌を解明しAKI to CKDに対する治療応用を目指す。

助成を受けて

従来AKIは自然治癒する疾患だと考えられてきましたが、近年AKIはCKDに至る予後不良な病態であることが判明しました。AKI は高頻度に生じCKD は治療法がないためAKI to CKD の病態解明や治療法開発は非常に重要です。私は長年にわたりAKI to CKDの研究を行ってきた結果、AKI後傷害を受けた近位尿細管細胞のうち修復がうまくいかずに萎縮に至った細胞が液性因子の分泌を介して炎症や線維化を惹起することを明らかとしました。本研究ではこの知見をさらに発展させ1細胞RNAseq 解析をはじめとした統合的な解析により、AKI to CKD に対する病態解明や治療応用を目指したいと考えています。

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