従来AKIは自然治癒する疾患だと考えられてきましたが、近年AKIはCKDに至る予後不良な病態であることが判明しました。AKI は高頻度に生じCKD は治療法がないためAKI to CKD の病態解明や治療法開発は非常に重要です。私は長年にわたりAKI to CKDの研究を行ってきた結果、AKI後傷害を受けた近位尿細管細胞のうち修復がうまくいかずに萎縮に至った細胞が液性因子の分泌を介して炎症や線維化を惹起することを明らかとしました。本研究ではこの知見をさらに発展させ1細胞RNAseq 解析をはじめとした統合的な解析により、AKI to CKD に対する病態解明や治療応用を目指したいと考えています。
生物・生命系領域