本研究を通じて、材料素材としてのウイルスの有用性を明らかにしたいと思っています!
本研究では、夾雑環境の中から望みの分子のみを迅速に分離して回収・除去できるような分子選択的な分離膜の構築を目指し、繊維状ウイルスの一種であるM13ファージを素材として構築することを目的とした。ウイルスを不溶化して膜として利用するため、界面重合によりファージ膜を構築した。ファージ膜の特性を評価した結果、ファージが配向して密に集合化しており、その結果として小さな分画分子量をもつことがわかった。機能性ペプチドを導入したファージを用いて分子選択的な分離を検討した結果、イオンのような極めて小さなサイズであってもペプチドの分子認識に基づいて高選択的な分離が実現されることが明らかとなった。また、界面を利用した新たなファージの集合化手法も確率し、分離膜素材としてのファージの有用性を見出した。
理工系領域