島田 貴士 Takashi Shimada

千葉大学 大学院園芸学研究院助教※助成決定当時

2022稲盛研究助成生物・生命系

採択テーマ
油滴を介した植物のストレス応答機構の解明
キーワード
研究概要
油滴(lipid droplet)は中性脂質を貯蔵するための細胞小器官です。植物の種子は、発芽のためのエネルギー源として、油滴をたくさん持ちます。一方、葉にも油滴は存在しますが、葉に存在する油滴の生理学的役割はほとんどわかっていません。
私たちは、葉の油滴が様々なストレスにより誘導されることを見つけました。さらに、葉の油滴には様々なタンパク質が局在していることも明らかにしています。本研究では、油滴やその局在タンパク質が、植物のストレス耐性にいかに寄与するのか、その分子機構と生理学的意義について、解明を目指します。

助成を受けて

私は学生の頃よりずっと植物の油滴の研究を行ってきました。植物の油滴は、エネルギー貯蔵だけでなく、様々な役割を持つことが示唆されていますが、その証明はまだまだ不十分です。本研究を通して、油滴の機能の一端を解き明かすことに挑戦します。

研究成果の概要

植物の油滴の生理機能を明らかにすることを目指し、油滴局在タンパク質の解析を行いました。また、葉に油滴を過剰蓄積するシロイヌナズナ変異体を用いて、ストレス耐性を解析しました。植物の油滴局在タンパク質であるミオシン結合タンパク質(MYOB)を発見し、その成果を論文として発表しました。


Omata Y, et al. (2024) Lipid droplets in Arabidopsis thaliana leaves contain myosin-binding proteins and enzymes associated with furan-containing fatty acid biosynthesis. Frontiers in Plant Science 15 https://doi.org/10.3389/fpls.2024.1331479


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