鈴木 啓一郎 Keiichiro Suzuki

大阪大学 大学院基礎工学研究科教授※助成決定当時

2018稲盛研究助成生物・生命系

採択テーマ
生体内ゲノム編集治療技術の開発
キーワード
研究概要
単一遺伝子の変異が起こることで生じる疾患を遺伝子疾患と呼び、ヒトでは10,000以上の遺伝子疾患が存在すると推測されている。しかしながら、ほとんどの遺伝子疾患に対しては、変異を起こした遺伝子の機能を補完しない限り、症状を改善・根治することは不可能であり、現状では有効な治療法は存在していない。一方、自身が最近発表した生体内非分裂細胞への遺伝子改変技術[HITI]は、これまで困難であった生きたマウスの脳・筋肉など非分裂細胞にて標的ゲノム配列を自由に改変する世界初の技術であり、実際に遺伝性疾患である網膜色素変性症のモデルラットの視覚機能障害の治療効果が得られた。本研究テーマでは、申請者が開発したHITI技術を更に発展させることで、生体内の随意の組織・器官内で特定の細胞のゲノム情報を自由自在に改変するゲノム編集技術の確立を目指す。

助成を受けて

この度は、貴財団の2018年度稲盛財団研究助成金に採択いただき、心より御礼申し上げます。私は2017年8月に米国から帰国し新しく研究室を立ち上げておりますが、こういった状況の中、本研究助成は大変貴重であり大変励みになっております。御支援いただいた助成金を有効に活用し、常に全く新しいアプローチから基礎研究を進めていきたいと考えております。

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