武田 俊輔 Shunsuke Takeda
滋賀県立大学 人間文化学部准教授※助成決定当時
2019稲盛研究助成人文・社会系
- 採択テーマ
- 限界集落における祭礼・民俗芸能の継承に関する質的研究:住民・他出者・移住者相互の関係性とそれぞれをつなぐ仲介者が果たす役割を中心として
- キーワード
-
- 研究概要
- 限界集落における、住民・他出者・移住者の協力による祭礼・民俗芸能の継承とその可能性、またそこでの継承組織の再編について明らかにすることです。その際、相互の戸惑いや摩擦、例えば住民・他出者の側の移住者ら祭礼参加への違和感や、住民からのまなざしや慣習への移住者らの戸惑い、両者の仲介役を担う人々や組織の役割に焦点を当て、それらがどう処理されつつ(あるいは無理に解決せず)祭礼や芸能が成立するのか分析します。集落の共同活動におけるこうしたプロセスを見ることは、単に祭礼や民俗芸能だけにとどまらず、こうした集落が住民・他出者・移住者らの関係性を通じて継承される可能性を探求することでもあります。
また農山漁村における人口減少と高齢化、移住者が集落で果たす役割と集落の存続可能性という問題は日本に限らずグローバルな課題です。したがって海外のrural sociologyにおけるコミュニティ研究や、lifestyle migration研究における、農山漁村とそこでの移住者の役割についての研究もふまえつつ研究を進めると共に、その成果を海外において発信することも目的としています。