独自の観点から新奇な事象を見つけられるよう、採択いただいたテーマを頑張りたいと思います。
本研究では、動的な分子からなる水素結合有機フレームワーク(HOF)の創製およびHOF構造中の分子運動に基づく外部刺激応答性探索を目的とした。具体的にはπ拡張テトラ[2,3]チエニレンからなるHOFを作成し、結晶構造と物性についての評価を行った。このHOFはサドル型の分子が分子間カルボン酸水素結合により、ダイヤモンド型の分子ネットワークを形成し、それが10重に相互貫入する分子集合構造を形成することを明らかにした。このHOFは溶媒選択的かつ可逆なベイポクロミズムを示した。溶媒の吸脱着前後でHOF構造に大きな変化が生じていることが確かめられ、分子構造変化がクロミズムを誘起していることが示唆された。
理工系領域