田中 正樹 Masaki Tanaka

東京農工大学 大学院工学研究院助教※助成決定当時

2022稲盛研究助成理工系

採択テーマ
高秩序な双極子配向を誘起する分子ダイナミクスの探索
キーワード
研究概要
有機ELなどの有機電子デバイスで最も重要な役割を持つ有機薄膜の中では、有機分子が高秩序に配向し、優れた機能を発揮します。本研究では、分子配向のメカニズムを解明し、意図的に配向状態を制御することで、有機デバイスのさらなる高性能化を実現します。

助成を受けて

この度は稲盛研究助成に採択いただき、大変光栄に思います。これまで未解明な点が多く残されてきた分子配向メカニズムについて、化学的・物理的な側面から謎を解き明かし、高性能有機デバイスの実現に貢献します。

研究成果の概要

本研究では、分子の永久双極子モーメントの増大およびガラス転移温度の向上の観点から、真空蒸着過程の自発配向により強力な配向分極を生じる極性分子を開発した。自発的な配向分極を誘起する機能性官能基としてトリフルオロメチルフェニル基を有する極性分子を新規に設計・合成し、大きな永久双極子モーメントおよび高いガラス転移温度により従来の2倍以上の膜分極を形成できることを明らかにした。


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