InaRIS フェロー (2023-)
名古屋工業大学大学院工学研究科教授・学長特別補佐※助成決定当時
2023InaRIS理工系
情報システムにおいて、人間や実世界とシステムの接点である入出力インタフェース技術は、計算・記憶・通信と並んで重要な構成要素である。AIの発展によって、実世界での現象を多元的にセンシングして捉え、計算、分析、判断の結果を出力したり、ロボットや自律システムを制御して実世界に高度に反映させたりすることが可能となっている。特に聴覚と視覚の理解と関連技術の発展により、人や機械間の高速・高品質な遠隔コミュニケーションと気軽なインタラクションが可能となっている。次の五感のフロンティアは触覚と言われ数々の技術の開発が試みられているが、触覚の理論の解明は端緒についたところで、社会基盤となるような革新的なデバイスがないのが実情である。
田中氏の研究提案は、触知覚を情報学的に理解し、個々人の触覚を情報化することを目指している。触覚を、身体と外界との力学的相互作用の認識と捉え、対象に触れる皮膚の力学特性、触覚と運動の相互制御特性、情報フィルタリングを行う認知的特性などの内的特性の理解からアプローチし、現象的に触覚を捉えて変調・計測・提示・共有する技術を確立しようという野心的な構想である。触知覚の基盤となる理論の開拓と技術開発により、情報システムがマルチモーダルなインタラクションを獲得し、情報通信とAIに革新をもたらすことが期待される。田中氏はこれまでに、個人の触覚を数値化、活用する研究開発に取り組み、感度、運動、材質感、心地よさに関して、皮膚特性、運動特性、認知特性を明らかにするなど、独創的なアプローチで研究成果を挙げてきている。同氏は、今回の提案でこれらの断片的な研究を統合的に明らかにすることを目指しており、触知覚原理を解明する手がかりに着手している数少ない研究者である。
田中氏は新時代の触知覚研究を牽引する気鋭の研究者である。InaRISフェローシップの支援により、同氏の今後10年の研究期間を通して触知覚による主観的情報の流通や⾮⾔語による他者理解が進み、より身体性と密に接続した情報学、すなわち「水平線の彼方の情報学」ともいうべき分野が開拓されることを期待する。触知覚の活用により多様性の尊重と他者との共創が促され、感性や技が豊かに創造・伝承される社会の構築に貢献することが望まれる。
2024年10月17日、18日の二日間、稲盛財団(京都市下京区)において、「稲盛科学研究機構(InaRIS)フェローシップ」のアドバイザリー・ボード・ミーティング(以下、ABM)が開催されました。
2024年度InaRISフェロー紹介動画を公開しました!
2025年度の稲盛科学研究機構(InaRIS)フェローシップの申請受付を開始しました。
2024年度InaRISフェロー、星野歩子氏(左)と鈴木洋氏(右) 4月20日、京都市内のホテルで、2024年度InaRISフェロー授与式を行いました。 2024年度InaRISフェローは「異分野コンバージェンスによる⾰...
2025年度InaRISおよび稲盛研究助成の募集要項を公開しました。
公益財団法人稲盛財団(理事長 金澤しのぶ)は3月15日、2024年度稲盛科学研究機構(InaRIS: Inamori Research Institute for Science)のフェローを発表しました。2024年度I...
InaRISフェローシップは、好奇心の赴くまま、存分に壮大な研究に取り組むべく1人につき10年間継続・総額1億円の助成を行う研究助成プログラムです。2025年度のInaRISフェローシップについてお知らせいたします。 &...
プレゼンテーションを行う2023年度InaRISフェローの田中由浩氏 「稲盛科学研究機構(InaRIS)フェローシップ」の運営委員やフェロー同士が研究内容について議論を交わす「アドバイザリー・ボード・ミーティング(ABM...
2023年度InaRISフェロー紹介動画を公開しました!研究にかける熱い想いやちょっと意外な日常など、フェローの魅力をギュッと詰め込んで紹介します! 亀井 靖高 氏(九州大学大学院システム情報科学研究院准教授) 「機械と...
稲盛財団は、5月23日、2023年度の稲盛科学研究機構(InaRIS: Inamori Research Institute for Science)フェローシップの申請受付を開始しました。
4月22日、京都市内のホテルで、2023年度InaRISフェロー授与式を行いました。 2023年度InaRISフェローは「水平線の彼方の情報学」をテーマに募集し、厳正なる審査の結果、九州大学大学院システム情報科学研究院准教授の亀井靖高氏と、名古屋工業大学大学院工学研究科教授の田中由浩氏の2人が選ばれました。
InaRISフェローシップは、好奇心の赴くまま、存分に壮大な研究に取り組むべく1人につき10年間継続・総額1億円の助成を行う研究助成プログラムです。2024年度のInaRISフェローシップについてお知らせいたします。 &...
2024年度InaRISおよび稲盛研究助成の募集要項を公開しました。
公益財団法人稲盛財団(理事長 金澤しのぶ)は3月17日、2023年度稲盛科学研究機構(InaRIS:Inamori Research Institute for Science)のフェローを発表しました。2023年度In...
「稲盛科学研究機構(InaRIS)フェローシップ」の運営委員やフェロー同士が研究内容について議論を交わす「アドバイザリー・ボード・ミーティング」が10月4日、稲盛財団(京都市下京区)にて開催されました。 I...
4月23日、京都市内のホテルで、2019年InaRISフェローシップ創設以来初となる、InaRISフェロー授与式を開催しました。
本日、2023年度InaRISおよび稲盛研究助成の募集要項を公開しました。 募集要項は以下のページよりご覧いただくことができます。 InaRIS: https://www.inamori-f.or.jp/inaris 稲...
公益財団法人稲盛財団(理事長 金澤しのぶ)は3月18日、2022年度稲盛科学研究機構(InaRIS:Inamori Research Institute for Science)のフェローを発表しました。2022年度In...
InaRISフェローシップは、好奇心の赴くまま、存分に壮大な研究に取り組むべく1人につき10年間継続・総額1億円の助成を行う研究助成プログラムです。2023年度のInaRISフェローシップについてお知らせいたします。 &...
「稲盛科学研究機構(InaRIS)フェローシップ」の運営委員やフェロー同士が研究内容について議論を交わす「アドバイザリー・ボード・ミーティング」が10月3日、オンラインで開催されました。 InaRISは、短期的に成果を求...
稲盛財団は、2021年5月21日、2022年度の稲盛科学研究機構(InaRIS)フェローシップの申請受付を開始しました。今年度の募集対象分野は「物質・材料」研究の前線開拓です。
公益財団法人稲盛財団(理事長 金澤しのぶ)は3月19日、2021年度 稲盛科学研究機構(InaRIS:Inamori Research Institute for Science)のフェローを発表しました。2021年度I...
InaRISフェローシップは、好奇心の赴くまま、存分に壮大な研究に取り組むべく1人につき10年間継続・総額1億円の助成を行う研究助成プログラムです。2022年度のInaRISフェローシップについてお知らせいたします。 &...
(左から順番に・敬称略)稲盛財団理事長・金澤しのぶ、InaRIS機構長・中西重忠、InaRISフェロー・高柳匡、InaRISフェロー・野口篤史、InaRIS選考委員長・十倉好紀 挑戦的な研究にじっくり10年間トライできる...
稲盛財団の2つの研究助成である「稲盛研究助成」と「InaRIS」の2021年度の申請受付が、5月21日からはじまりました。 稲盛研究助成は、より多くのアイデアの実現可能性を検証する機会を提供して多様性と独創性のある研究を...
公益財団法人稲盛財団(理事長 金澤しのぶ)は本日、2020年度稲盛科学研究機構(InaRIS:Inamori Research Institute for Science)のフェローを決定しました。本プログラム初となる2...
InaRISフェローシップは、好奇心の赴くまま、存分に壮大な研究に取り組むべく1人につき10年間継続・総額1億円の助成を行う研究助成プログラムです。 本年の公募に先立ちまして、プログラム内容や申請資格等について、東京・京...
InaRISフェローシップは、好奇心の赴くまま、存分に壮大な研究に取り組むべく、1人につき10年間継続・総額1億円の助成を行う研究助成プログラムです。2021年度のInaRISフェローシップでは、下記のキーワードに関わる...
国内の自然科学、人文・社会科学の若手研究者を対象に、多彩な研究活動を助成することによって、それぞれの研究者の可能性を開花させ、さらに大きな課題に取り組む契機を創出することを目的としています。
InaRIS(稲盛科学研究機構フェローシッププログラム)および2020年度稲盛研究助成に関する募集要項を公開しました。
稲盛財団は本日、文部科学省(東京都千代田区)において記者会見をおこない、新たな助成プログラム「稲盛科学研究機構(InaRIS※)フェローシップ」の創設を発表しました。
理工系領域