寺 正行 Masayuki Tera

東京農工大学 大学院工学研究院テニュアトラック准教授※助成決定当時

2020稲盛研究助成生物・生命系

採択テーマ
核酸構造制御に基づく遺伝子調節法の開発
キーワード
研究概要
DNA、RNAといった核酸の高次構造の一つにグアニン四重鎖と呼ばれる構造があります。グアニン四重鎖は、転写、翻訳、複製に関与し、形成したり、解かれたりする動的な構造です。本研究ではこれを安定化する化合物を合成し、遺伝子の調節に応用したいと考えています。

ひとこと

財団から研究助成をいただくのは初めてのことで、とても嬉しく思っております。これからの研究人生の糧になるような研究成果を出せるように頑張ります。

研究成果の概要

本研究では、DNA上に形成される特殊な構造であるグアニン四重鎖(G4)の機能を解析することを目的とした。具体的には、2つの新しい化合物を開発した。 1つ目は、6OTD-Bpと呼ばれる化合物で、特定のG4構造にのみ結合し、光を当てるとその構造を光架橋することに成功した。2つ目は、6LCOと呼ばれる化合物で、G4構造の形状を変化させることがわかった。6LCOを使うことで、G4構造と結合するタンパク質との相互作用を制御できた。このように、新しい化合物を使うことで、G4構造とそれに結合するタンパク質を制御できるようになり、遺伝子発現制御への応用が期待できる結果が得られた。


Sasaki S, et al. (2023) Regulation of thrombin activity by ligand-induced topological alteration in a thrombin-binding aptamer. Chemical Communications 59, 8862-8865. https://doi.org/10.1039/D3CC02308G


領域が近い研究者を探す

生物・生命系領域